会長挨拶

コロナ禍は世界のありようを劇的に変えつつあります。
経済活動への衝撃の大きさは軽視できるものではありません。一方で企業の在り方を根本的に革新する好機でもあります。

特にコーポレート機能については、革新を必要とする課題が山積しています。
複雑化する社会やビジネスの要請についていくだけで精いっぱい。従来の機能との整合性を考慮して業務やルールを見直す暇もない。現場に重複した作業を強要し、大きな非効率を生んでいる。作業が形骸化し、本来の機能を十分に果たせていない。このような多くの声が聞こえてきます。
それでもなかなか革新が進まない一因は、各社が独自のやり方を個別に育んできた閉鎖性にあるのではないでしょうか。日本企業のコーポレート機能は各社ごとに言わばロックダウンされた状態にあります。

革新とは「やめる・つづける・はじめる」ことを白紙の状態から考え直し、スピード感をもって実行することだと思います。何をやめて、何をつづけるか。他社の試行錯誤に学ぶのが一番の近道です。そして何をはじめるか。コロナ後の世界がどうなるかだれにも言えない状況だからこそアンテナを高く張る必要があります。自分の視野にないところから大きな変化が想像もしない速さでやってくると覚悟しておくべきでしょう。
オープン・イノベーションが重要なのは新規事業開発だけではありません。
業種、業態の垣根を越えた英知の結集と連携こそがコーポレート機能の革新を実現すると信じております。

一般社団法人 コーポレート機能協会 会長